日本語教師で食っていけるのか?

日本語教師で将来に渡って食っていけるか。ぶっちゃけて言うと、『日本語教師の収入』ですが…。

一言で言うと、「それだけで食っていくのは厳しい」「はっきり言って、収入は低い」ですね。

文化省の統計によると、日本語教師人口は2万4000人程度で、そのうち非常勤・ボランティア等が90%程度。なんと、日本語教師の実に9割が、「アルバイト並の待遇」なのです。

常勤講師になることができれば、平均月収20~25万ぐらいになりますが、業界事情で常勤採用はかなり稀。ただそれにしても、多いとはいえない収入です。授業準備にさく時間などを考えると、1時間あたりの時給は高校生のアルバイトレベルなんてことにもなりかねません。

そもそも、通訳・翻訳者・英会話教師など、語学業界というのはどれもこれも、『それだけで飯を食って行ける人は、ほんの一握り』、『果てしなく長~い下積生活が当たり前』という世界です。そのことについての是非は置いておきますが、日本語教師を目指すなら、そういう業界だという認識は必要でしょう。

まずは非常勤で仕事をはじめ、キャリアを積んで常勤になる。これが日本語教師の就職活動の「王道」ですが、生活できる収入になるまでに、正直何年かかるかわかりません。

常勤講師になって、月収20~25万もらえれば、安い賃貸アパートに住めば大丈夫。時々温泉(日帰り)へ行くこともできますし、独身のうちだったら、年に一度ぐらいはちょっとした海外旅行に行くこともできます。

でも

日本語教師という仕事で将来に渡って飯を食っていきたいと思うなら、その他のスキルも身につけることを強くおすすめします。

通訳の資格を取るもよし、外国語を身につけるのもよし。TOEICで800点取るとか、中国語検定に合格するとか、とにかく語学のジャンルで、日本語教師以外のスキルをモノにしておきましょう。

目指すは「日本語教師」ではなくて、「日本語教師もできる、語学のスペシャリスト」。

例えば中国語ができれば、授業では直説法で日本語を教え、授業外では中国語で生活指導ができる・・・そうなれば、中国人留学生を中心に受け入れている学校にとって、余人をもって代えがたい『人材』となることができます。

さらに、もうひとつの技能からの収入を積み上げることもできますし、だから日本語教師の仕事が何かの事情でダメになってしまったときでも、食いつなぐことだってできます。

日本語教師は修士以上の学歴を持っていないと就職に不利とか言われていますが、大学院を出ていても、平均収入の少ない不安定な仕事ということに変わりは全くありません。

だったら、修士を取るより、ダブルスキルを身につけて『語学のプロとして生きていこう、それで飯を食っていこう』っていうほうが、より現実的で賢い選択で、やりがい度だって上だと思うんですけど、あなたはどう思います?


関連記事


落とし穴ランキング